法人破産

大田区蒲田における法人破産件数と手続きのポイント

大田区蒲田における法人破産件数と手続きのポイント

会社の資金繰りが悪化し、経営を継続していくことが困難になった場合は、やむを得ず会社を畳まなければいけないことがあります。

ここでは、東京都・大田区の方向けに法人破産のポイントを解説します。

1.大田区の倒産事情

大田区の統計によると、平成30年には5月の時点で28件の企業が倒産しました。これは前年の同時期と比較すると7件少ない件数です。
(参考:大田区ホームページ 倒産企業数

大田区における過去の倒産企業数は以下のとおりとなります。

  • 平成29年 87件
  • 平成28年 65件
  • 平成27年 95件
  • 平成26年 76件
  • 平成25年 71件
  • 平成24年 96件
  • 平成23年 97件
  • 平成22年 94件
  • 平成21年 119件
  • 平成20年 93件
  • 平成19年 118件
  • 平成18年 76件
  • 平成17年 91件
  • 平成16年 107件
  • 平成15年 142件
  • 平成14年 177件

これを見ると、リーマンショックで世界的に不景気となった平成21年をピークとして、近年の倒産企業数は若干減少している傾向にあり、平成28年には65年と近年でもっとも少ない件数となりました。

平成29年には再び増加し87件となっていますが、ITバブルが崩壊し「デフレ不況」、「第3次平成不況」と呼ばれた平成14年や平成15年と比べると、倒産企業の件数は約半数となっています。

倒産企業の総負債額と総従業員数は以下のとおりです。

  • 平成30年 684万円 234名
  • 平成29年 7,039万円 294名
  • 平成28年 6,048万円 250名
  • 平成27年 90,685万円 2,689名
  • 平成26年 16,950万円 373名
  • 平成25年 12,025万円 578名
  • 平成24年 22,172万円 691名
  • 平成23年 11,151万円 473名
  • 平成22年 13,424万円 494名
  • 平成21年 120,984万円 1,395名
  • 平成20年 16,229万円 738名
  • 平成19年 19,180万円 784名
  • 平成18年 19,403万円 670名
  • 平成17年 28,545万円 715名
  • 平成16年 11,868万円 570名
  • 平成15年 42,502万円 1,281名

このように、倒産企業数の減少に伴って、総負債額、総従業員数も減少の傾向にあります。

平成27年には2209名の従業員を抱える大田区内の航空会社が約710憶8800万円の負債を抱えて民事再生法の適用を申請したほか、平成21年には貸金業法の改正により貸金業者が相次いで民事再生手続や会社更生手続を行うなど、大規模な倒産事件も発生しています。

2.法人破産の特徴

(1) 倒産すると消滅する

個人は、借金を抱えて破産手続を行っても、生きている限りは当然に権利義務の主体となります。

したがって、個人の破産手続においては、本当に債務を免責させてよいのか、破産後の破産者の生活をどうやって維持していくのかといったことが問題となります。

他方で、法人は、一定の社会的活動を営む組織体に対して、法律によって権利能力を与えたものです。

あくまで法律によって人格が認められているにすぎませんので、破産すると完全に消滅します。

したがって、個人の破産手続で問題となる債務の免責、免責不許可事由、非免責債権などは、法人破産では概念自体がなく、滞納している税金は消滅します。

これが法人破産の大きな特徴の一つです。

(2) 社会に与える影響が大きい

法人は個人と比べて法律関係が複雑で利害関係者が多いことから、破産手続を行うと社会に与える影響が大きいのが特徴です。

個人破産の場合、債権者はクレジット会社やサラ金などの金融機関が中心です。

これらの業者はいわば融資のプロですので、破産のリスクを踏まえたうえで貸付けを行っています。

ところが、法人の場合は従業員や取引先の中小企業、顧客などが債権者となります。従業員は会社がつぶれてしまうと生活できなくなるかもしれませんし、取引先の企業は多額の不良債権を抱えて連鎖倒産してしまうかもしれません。一般顧客からは多数のクレームが寄せられることもあります。

また、破産時に抱える負債の額も個人より格段に多いのが通常で、中小企業であっても数千万から数億円に及ぶことがあります。

(3) 手続が厳格で複雑

このように法人が消滅すると社会に与える影響が大きいため、法律や実務において厳格で複雑な手続が想定されています。

たとえば、東京地方裁判所では法人破産は原則として管財事件となります。

管財事件とは、破産手続において裁判所が破産管財人を選任し、財産の調査、管理、換価、配当などを行う手続です。

破産管財人は弁護士が務め、裁判所は破産管財人の活動を監督します。

破産手続には、同時廃止という手続もあります。同時廃止とは、資力のない個人の破産手続でよく利用される方法で、換価処分するべき財産がないことが明らかな場合に、わざわざ破産管財人を選任して手続を進めることをせず、破産手続開始と同時に手続を廃止します。

同時廃止では破産管財人が選任されることもありませんので、短期間で、簡易に破産手続が終了します。

法人破産の場合でも、明らかに換価処分できるような財産がないことはあり得ますので、理論上は同時廃止となることがあります。しかし、実際は、法人破産は管財事件となることが大半で、東京地方裁判所では原則として法人破産は管財事件とすると明言しています。

なお、管財手続には予納金が少なくて済む少額管財という手続があり、中小企業が破産するときは少額管財となるのが通常です。

3.否認権とは

会社を清算しようとするときに気を付けなければいけないのが、否認権です。

否認権とは破産法で破産管財人に認められている権利で、破産開始前になされた破産者の行為またはこれと同視できる第三者の行為の効力を否定し、破産財団の回復を図る権利です。

破産管財人は、破産財団、すなわち破産者の財産を管理し、それを債権者に対して適切に配当する役割を担っています。

企業が倒産するときに、破産手続が開始する前に一部の債権者に対して弁済がなされることがあります。

たとえば、資金繰りが回らなくなって破産することが確実となったときに、今までお世話になっていた取引先に対して優先的に売掛金を支払うような場合です。

ところが、このような行為は偏頗弁済と呼ばれ、ほかの債権者の権利を侵害し、債権者同士の公平を害するおそれがあるものです。

そこで、破産管財人には、本来であれば破産財団に組み入れられるべきだったにもかかわらず流出してしまった財産を、再び破産財団に組み入れる権利が認められています。これが否認権です。

たとえば、不動産が第三者に譲渡され、所有権移転登記が行われた場合であっても、否認権が行使されると所有権移転登記が抹消されることになります。

4.従業員との関係

法人破産でしばしば問題となるのが、従業員との関係です。

法人が破産すると、当然、従業員との雇用契約は解除されることになりますので、雇用されていた従業員は新たな就職先を探さなければいけません。

従業員は、通常、会社に対して給与、退職金、解雇予告手当の債権を有しています。

突然解雇を言い渡された従業員を保護する観点から、これらの債権は一般の債権よりも優先的に弁済または配当されることとされています。

会社に資力がない場合には、独立行政法人労働者健康福祉機構という組織が未払いの給料を立替え払いしてくれる未払い賃金立替制度という制度を利用することができます。

また、売掛金の回収やリース物件の返還、賃貸物件の片づけ作業など、破産手続の遂行に必要な限度で雇用契約が継続する場合があります。

代表者や役員の報酬は、従業員の給与と異なり、優先的な債権とされていませんので注意が必要です。

会社が支払い停止の状況に陥ったあとに代表者や取締役に対して報酬を支払うと、否認権行使の対象となること場合があります。

5.代表者の破産

会社と経営者は別個の法人格ですので、会社が破産しても、経営者には影響がないのが原則です。

しかし、中小企業の場合、経営者が会社の連帯保証人となっている場合がほとんどです。会社が抱えていた多額の債務を負わなければいけない場合は、法人破産と同時に代表者個人の破産手続も行うことになります。

代表者個人が破産する場合、事件としては法人とは別個の手続として扱われますが、手続自体は一緒に扱われるのが通常です。

すなわち、法人と同じ破産管財人によって管財手続が進められたり、裁判所に納める予納金も1件分で済んだりする場合があります。

6.裁判所に納める費用

法人破産をするためには、裁判所に納める手数料や予納金を納める必要があります。

東京地方裁判所の少額管財事件の場合、申立て手数料として1,000円、郵券4,100円分、官報広告費として13,197円、予納金として最低200,000円が必要となります。

少額管財事件以外の場合は、郵券が14,100円分となり、予納金の最低額の基準は負債の総額によって異なります。

  • 5000万円未満 700,000円
  • 5000万以上1億円未満 1,000,000円
  • 1億以上5億円未満 2,000,000円
  • 5億以上10億円未満 3,000,000円
  • 10億以上50億円未満 4,000,000円
  • 50億以上100億円未満 5,000,000円
  • 100億以上250億円未満 7,000,000円
  • 250億以上500億円未満 8,000,000円
  • 500億以上1000億円未満 10,000,000円
  • 1000億円以上 10,000,000円以上

7.大田区蒲田での法人破産なら泉総合法律事務所へ

会社が破産すると、取引先や従業員に大きな影響を与えるため、会社の経営が悪化した時点で、できるだけ早く対応を考えることが肝心です。

会社の破産は、新たな人生のスタートでもあります。

泉総合法律事務所は、多くの法人破産案件を手掛けた実績があります。法人破産に関する問題は、泉総合法律事務所へ是非ご相談下さい。

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