大田区蒲田における刑事事件|すぐ弁護士にご相談ください
この記事では、蒲田の刑事事件の動向について解説します。
なお、この記事における「蒲田」とは、蒲田警察署が管轄する地域、つまり羽田空港の周辺を除く東京都大田区の東南部を指します。
このコラムの目次
1.東京都大田区蒲田について
蒲田は東京都大田区の地名です。「蒲田」という言葉がどの地域を指すかは場合によっては異なります。
広い意味では蒲田駅や京急蒲田駅の周辺の蒲田、西蒲田、蒲田本町の北端を中心とした部分を指します。狭い意味では、蒲田一丁目から蒲田五丁目までを指すこともあります。
蒲田にアクセスするための駅としてJR京浜東北線、東急池上線、東急多摩川線が乗り入れている蒲田駅、西に徒歩で10分程度の場所にある京浜急行電鉄の京急蒲田駅、東に徒歩10分程度の場所にある東急池上線蓮沼駅があります。
蒲田の駅周辺は繁華街となっています。新宿、渋谷、池袋などの都心から外れる地区では有数の繁華街です。
蒲田駅周辺の繁華街は東口方面と西口方面に分かれており、いずれも蒲田警察署の管轄となっています。
大田区の行政関連施設も蒲田に集中しています。
2.刑法犯の件数の推移
蒲田の人口は216,931人、で面積は12.44平方キロメートル、1平方キロメートルあたりの人口密度は17,438人で東京23区の平均を上回ります。
過去5年の蒲田の刑法犯の総件数は、以下のとおり減少傾向にあります。
- 2013年 3151件
- 2014年 3412件
- 2015年 2997件
- 2016年 2881件
- 2017年 2602件
しかし、警察署別の刑法犯の認知状況をみると、隣接する池上、大森、東京空港、同じ大田区の田園調布と比べて犯罪は多く発生しています。
3.犯罪の類型別の件数
続いて、犯罪の類型別にみていきます。
暴行、傷害、脅迫、恐喝などの粗暴犯は、以下のとおり横ばいの傾向にあります。
- 2013年 174件
- 2014年 139件
- 2015年 155件
- 2016年 178件
- 2017年 153件
空き巣などの侵入窃盗犯は、やや減少しつつありますが、2016年、2017年はほぼ横ばいとなっています。
- 2013年 103件
- 2014年 99件
- 2015年 76件
- 2016年 89件
- 2017年 87件
ひったくり、すり、自動車盗、万引き、置き引き、自販機ねらい、車上ねらいなどの非侵入窃盗犯は、もっとも件数が多く、総件数と同様に全体としては減少傾向にあります。
- 2013年 2254件
- 2014年 2636件
- 2015年 2335件
- 2016年 2143件
- 2017年 1926件
4.大田区における犯罪の傾向
次に、警視庁が公表している「平成29年 区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」に基づき、蒲田を含む大田区の犯罪の傾向についてみていきます。
凶悪犯(殺人、強盗、放火、強姦)の件数は32件で、そのうちもっとも多いのは強盗で20件でした。
東京23区で凶悪犯が30件以上発生したのは、大田区のほかに新宿区(46件)、世田谷区(46件)、足立区(39件)、豊島区(35件)のみですので、大田区は凶悪犯罪が発生しやすいことがわかります。
東京23区で発生した犯罪の総件数を多い方から並べると次のようになります。
- 足立区 6633件
- 世田谷区 6533件
- 新宿区 6485件
- 江戸川区 5902件
- 大田区 5871件
- 渋谷区 5400件
- 練馬区 5235件
- 豊島区 4778件
- 板橋区 4677件
- 江東区 4359件
- 葛飾区 4241件
- 港区 4069件
- 杉並区 3783件
- 台東区 3354件
- 千代田区 3287件
- 北区 3157件
- 墨田区 2844件
- 品川区 2792件
- 中野区 2679件
- 中央区 2595件
- 目黒区 2066件
- 荒川区 1676件
- 文京区 1329件
これを、平成30年1月1日現在の各区の人口で割ってパーセンテージで算出し、人口100人あたりの犯罪件数を求めると以下のようになります。
- 千代田区 5.37%
- 渋谷区 2.35%
- 新宿区 1.89%
- 中央区1.66%
- 台東区 1.65%
- 港区 1.61%
- 豊島区 1.60%
- 墨田区 1.08%
- 足立区 0.98%
- 葛飾区 0.94%
- 北区 0.91%
- 江戸川区 0.85%
- 江東区 0.85%
- 板橋区0.81%
- 大田区 0.81%
- 中野区 0.80%
- 荒川区 0.77%
- 目黒区 0.73%
- 練馬区 0.72%
- 世田谷区 0.71%
- 品川区 0.70%
- 杉並区 0.66%
- 文京区 0.59%
これらのデータを比較してみると、蒲田を含む大田区は、犯罪発生件数自体は東京23区の中で高い方ですが、人口あたりのパーセンテージでみるとむしろ低い方であることがわかります。
つまり、大田区は人口当たりの犯罪発生件数という観点では犯罪が少なく治安がよい地域だといえますが、一方で、犯罪の総件数や凶悪犯の件数をみると、けして安心できない実情が見えてきます。
5.大田区の暴力団犯罪の検挙・装置状況
続いて、暴力団犯罪の検挙・送致状況についてみてみます。
2016年のデータでは、蒲田における暴力団犯罪の検挙件数は114件で、送致人数は93人でした。
その内訳は、刑法犯の検挙件数が45件で送致人数は38人、刑法以外の特別刑法犯の検挙件数が69件で送致人数は55人でした。特別刑法犯のうちもっとも多いのは覚せい剤取り締まり法違反で、検挙件数は43件で送致人数は31人でした。
暴力団犯罪の検挙総数が蒲田より多い警察署は、東京23区内では、新宿(316件)、池袋(193件)、浅草(174件)、渋谷(168件)、本所(151件)、麻布(148件)、北沢(145件)、中野(133件)、杉並(117件)の9つのみで、蒲田は暴力団犯罪が比較的多い地域であるといえます。
6.まとめ
(1) 犯罪件数自体は減少傾向
以上のように、蒲田における犯罪の発生状況は、全国における傾向と同様に、全体的に減少の傾向にあります。特に窃盗犯は年々減少する傾向にあります。
この背景には、大田区内で防犯カメラの設置が進み、犯罪の抑止につながっていることが考えられます。大田区では地域見回り活動を行う自治会・町会・商店街などの地域団体に対して、防犯カメラ設置費用の一部を助成金として支給するなど、防犯カメラの設置を促進するための政策を促進しています。
さらに、防犯パトロール活動を実施している、またはこれから始めようとしている自治会、町会、PTAなどに対してパトロール用ジャンパー、帽子、腕章、パトロールライト、ステッカー、のぼり旗、防犯ブザーなどの物品の購入費を援助するなど、地域全体で犯罪を抑止、検挙するための取り組みを行っています。
(2) 凶悪犯罪は多い
ところが、強盗などの凶悪犯や、暴行、傷害、脅迫、恐喝などの粗暴犯の件数は横ばいかやや減少傾向であり、東京23区内のほかの区と比較すると件数は比較的多めです。
暴力団犯罪の件数も少なくありません。
7.刑事事件でお困りのときは泉総合法律事務所蒲田支店へ
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また、刑事事件でお困りのときには、警察署に連絡する必要があるときがあります。
蒲田警察署の連絡先は以下のとおりです。
蒲田警察署
〒144-0053
東京都大田区蒲田本町2丁目3番3号
電話:03-3731-0110(代表)
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